WebRTC SFU Sora 2026.1.0 リリースノート
時雨堂は Sora 2026.1.0 をリリースしました。今回のアップデートでは大きめの変更は入れず、性能、安定化、セキュリティなどを中心に改善しています。
- OBS Studio WHIP サイマルキャスト対応
- 暗号ライブラリを AWS-LC ライブラリに変更
- クラスター利用時の接続ノード範囲指定機能
- クラスター利用時の負荷分散機能の強化
- ログ出力先指定機能
- Ubuntu 26.04 x86_64 / arm64 対応
OBS Studio WHIP サイマルキャスト対応
OBS Studio 32.1.0 の WHIP (WebRTC 配信) にサイマルキャスト機能が追加されました。これは OBS から複数の画質の映像を WebRTC SFU へ送信し、視聴者側で画質を選択できるようにする機能です。
Sora 2026.1.0 では、OBS Studio 32.1 以降で利用できる WHIP サイマルキャスト機能に対応しました。OBS Studio の WHIP サイマルキャスト機能には、RFC で定義されている WHIP やサイマルキャストの仕様とは異なる独自の仕様が含まれています。Sora の WHIP サイマルキャストは OBS Studio の WHIP サイマルキャストにのみ対応しています。
この機能を利用する場合は、OBS Studio 側でサイマルキャストの合計レイヤー数を 2 もしくは 3 にする必要があります。Sora では合計レイヤー数が 2 と 3 のみサイマルキャストで利用できます。4 には現時点では対応していませんのでご注意ください。

暗号ライブラリを AWS-LC ライブラリに変更
今回のアップデートで、暗号ライブラリを今まで採用していた OpenSSL から 新しく Amazon Web Services が公開している AWS-LC に切り替えました。
AWS-LC は OpenSSL と比較して、安全面や性能面で優位性があります。特に AWS の Graviton (arm64) 向けの最適化が入っているのが特徴です。
クラスター利用時の接続ノード範囲指定機能
Sora のクラスター機能を利用する場合に、接続するノードの範囲を指定できるようになりました。接続先のノード範囲を指定することで、利用する IP アドレスを制限したい場合にも対応できるようになります。
仕組みはいたってシンプルです。認証ウェブフック成功時に、アプリケーション側から払い出したノード名の一覧を Sora に返し、クライアントをその一覧に含まれるノードへ再接続させます。これにより、接続単位で「どのノードへ接続するか」を指定できるようになりました。
クラスター利用時の負荷分散機能の強化
Sora のクラスター機能は、複数台の Sora のうち、どの Sora に接続しても同じチャネルに参加できる機能です。今回、クラスター機能の負荷分散部分を強化し、突発的なスパイクや障害時にも、より適切に負荷を分散できるようになりました。これにより、より安定的な運用が可能になりました。
クラスター機能を利用すれば、比較的安価で低スペックなインスタンスをたくさん並べた構成を取れるため、耐障害性の向上とあわせてコストダウンも実現できます。
ログ出力先指定機能
ログの出力先を指定したいという要望に対応しました。sora.conf の log_dir で指定できるようになりました。
Ubuntu 26.04 x86_64 / arm64 対応
2026 年 4 月に Ubuntu 26.04 がリリースされたことに伴い、 Ubuntu 26.04 版パッケージの提供を開始しました。
10 年目
WebRTC SFU Sora は今年で 10 年目を迎えました。最初はマルチストリームもなく、片方向の配信だけでしたが、今ではクラスター機能を利用することで大規模な双方向配信もできるようになりました。
今後もよりよい品質、性能、セキュリティを追求しつつ、使いやすい製品にしていきます。
また、次のリリースでは Media over QUIC Transport への対応を実現できればと考えています。